地域のシンボル

園舎は大きな広告塔です。子どもたちにとって自慢の建物ではなくてはなりません。
園の屋上も地域の何処に園があるのか、自分のおうちは何処、お友達のおうちは、
など子供たちの情緒・感性を養うことに一役買うこともあります。

  • 御池台幼稚園
  • まどか幼稚園
  • くさべ保育園
  • こばと幼稚園

自然との共生

理想の園は?よく質問されます。一言で言うと、『森の中をリスなどの小動物が走り回っている情景を思い浮かべます』と答えます。園庭は四季を感じる花を咲かせ実のなる木を植え、小鳥を呼べる園庭とします。小川を作りメダカも飼いたいし夏は思い切り水で遊ばせられたらと思います。そのための技術もあります。園芸学校卒業のスタッフもいます。プールの設計実績も日本で一番です。

  • 西那須野幼稚園
  • のびてゆく幼稚園

管理された自由な生活環境

理論的には開放された園舎でありたいと考えるのは当然のことだと思いますが、部外者の侵入は何らかの方法で防止しなければなりません。家庭内のトラブルなどの子どもの引渡し問題、幼稚園児においては4月の子ども問題、これらは設置者サイドの重大な責任です。当社の計画では第一次警戒ゾーンと名づけている空間を設けることとしています。道路を歩いている人にどちらさまですかとの質問もできませんが敷地内に一歩でも入れば声をかけることも出来ます。このゾーンは内でもあり外でもある干渉帯と定義づけ、園の出入りの子どもも含めてチェックゾーンとしています。

しおあなの森保育園

冒険と安全

建物が奇抜すぎると子どもの活動が委縮します。幼児専用の体育館を作らせてもらった経験がありますが、片側のガラス面が大きすぎ子どもたちが片側によって行動したことがあります。近年では、男性保育士も増え、体力的に大胆な行動遊びも出来るようになって来ましたが、鉄棒・吊り輪・雲梯など落下の可能性のある器具にはマット等を忘れずに。裁判になった例を数多く見てまいりました。もうひとつ体育館などの器具の設置について、一人の先生が約10分でセットできること、また片付けられることも大切なことだと思います。サーキットトレーニングなどは最も優れた考えに思います。 建築的に多い事故は、指詰め、転落、家具の転倒による骨折などです。施設の作り方で防止できることが多いのですが。

  • 西那須野幼稚園

空間・視線・導線・距離

子どもの施設設計において基本的なことです。職員室または事務室から門・運動場が見えますか(視線)、子どもの動きが把握できますか(動線)、事故発生時にすぐ現場に急行できますか(距離)。園に出入りする人たちの行動が分かりますか、非常時の避難経路は確保できていますか、などなど。 空間の作り方については、心理的なテクニックも多くあります。天井を高く見せるために低いところから入っていく、同じように狭いところから広いところへ、暗いところから明るいところへ。お茶室から学ぶことも多く、にじり口を子どもの入り口と見立てて大人は子どもの部屋に入る時は頭を下げて、座った目の位置から見る天井の高さ、エジプトの絵画にある目線の高さ、階段途中の徐々に高い位置からものを見る、額・枠・穴からものを見る、子どもの感性を育てる方法はいくらでもあります。

人数の理解

園舎の設計において設計者が一番理解の遅れていることは①園児の行動は団体行動である②クラス単位である③学年単位であることです。行事の時には子どもの両親、祖父母、兄弟など演じ一人に対して6名から7名の人が集まることを考えます。園に関係する人々は保護者・給食・教材・工事など、関係者・人ではありませんが犬・猫・小鳥・昆虫などあらゆる関係者を考慮しなければなりません。 30人クラスの手洗い蛇口が3つの場合10回転、下足の履き替えスペースが5人分しかなければ6回転。最初に履き替え終わった子どもと最後の子どもの時間差は如何程か想像できると思います。

家具のディテール

家具につきましては、当社はほとんど別注の家具としています。家具はその園の特色を現す独自のものにします。壊れにくく工夫によって安く作ることも出来ます。下駄箱・手洗い・足洗いに関しても、それぞれ100のチェックポイントがあります。掃除具入れ、画用紙入れ、ピアニカ入れ、スタッキングベッド収納庫、布団庫、移動式階段、子ども用シャワーなど当社にて開発されたものです。このごろでは、トイレの暖房便座・小便器の自動水洗なども25年~30年も前から開発してきたものです。

  • ロッカー
  • 画用紙棚
  • 楽器棚
  • 布団庫
  • 下足箱
  • 図書コーナー
  • 手洗い
  • シャワー